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by tsukushi--juku
土筆塾主宰・土屋春雄のブログ

防衛予算概算要求
   防衛予算 5兆911億円が意味するもの

防衛省が来年度の概算要求を公表した。私は国会秘書時代、7年間の半分近くを内閣委員会、とりわけ防衛問題を担当して過ごした。それだけに、防衛庁(現防衛省)、自衛隊関係には関心が深く、今でもすぐに目が向く。
今回の概算要求、どうも気になる。その額は、総額過去最大5兆911億円、4年連続で増え続けている。ますます軍事大国の道を突き進む。そのしわ寄せは国民生活全般に覆いかぶさってくるだろう。安保法案を前提にした増額ということだろうが、そもそも憲法を勝手に解釈した、憲法違反の法案、それを先取りした増額、法案ともども許し難い。
額の大きさはもとよりだが、その中身を見てさらに驚く。*新型輸送機オスプレイ、12機、1321億円。*戦闘機F35A、6機1035億円。*対空型無人機グローバルホーク、3機、367億円。*新型早期警戒機、E2D、1機238億円。*水陸両用車AV7,11両74億円。などなど。朝日新聞はその社説で「今回の概算要求で目立ったのは米国製兵器の購入を優先させる姿勢」と指摘しているが、「日米防衛協力の指針」(日米ガイドライン)に基づいて共同作戦をすすめる兵器の一体化の流れと言っていい。戦争する国への裏付けだ。これら米国製兵器が日本の防衛と何の関係があると言うのか。無人島の尖閣列島防衛に、これらの兵器が必要とでも言うのであろうか。安倍政権は「抑止力」を高めると盛んに宣伝する。安保法案にしても「抑止力」を声高に宣伝する。土筆通信1343号で紹介したS・M君の言うように「武力で武力をおさえるやり方は武力の連鎖を招くだけであり、平和はもたらさない」ということ。外交能力の低下を告白しているようなものだ。
防衛問題、自衛隊問題は、例えば消費税増税問題の様に、直接自分に身に降りかかってくる問題ではないから、「わかりにくい」「あまり関心も持てない」という方も多いだろうが、今回の安保法案=戦争法案と重ねて考えると、「戦争する国」への準備が着々と進められていることが理解できるのではないか。先に沖縄の沖合いで起きた米艦船への降下訓練中の事故に、自衛隊特殊部隊の隊員が2名連なっていたことも、政府が言う『研修』などというものではない。明らかに一体となった共同訓練だ。
先に国会審議の中で暴露された「統合幕僚監部」の内部文書も、国会も国民も知らないところで「軍部の独走」が始まっていることを示している。今回の安保法案=戦争法案を廃案にという国民的な戦いは、こうした動きにくさびを打ち込む戦いでもある。日本を戦争する国にしてはならない。戦争は動き出してからでは止めることはむずかしい。戦前と違って今は声をあげることができる。「お父さん母さん、あの時どうして声をあげなかったの」と子どもに言われないために、悔いのない生き方をしたいものだ。(9月2日記)
by tsukushi--juku | 2015-09-03 10:38