土筆塾主宰・土屋春雄のブログ

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春の香り
 春の香り

 今年もふきのとうをいただいた。清瀬でのふきのとうだ。例年に比べて今年はずいぶん早いような気がする。まだ小さめだけれど、間違いなく春の香りだ。
 昨年暮れも押し詰まって、103歳で他界したおふくろの90歳のころの俳句に「ふきのとう土のふとんで春を待つ」というのがあったが、ふきのとうは私にとっては、子どものころからの春の「使者」だった。もっともふきのとうなど食べる習慣は無く、香りをかぐだけのものだったが、やはり早々と春を感じたものだ。おそらく私の田舎伊豆でも、もうふきのとうは顔を出しているだろう。
 それにしても清瀬のふきのとうは、今年は早い。さっそく子どもたちにも香りをかがせて、いつものように少し「遊んだ」が、さて今年のふきのとう、フキ味噌でも作って味わおうか。
 春は私の季節だ。誕生月ということもあるが、何よりも食卓に上る食べる楽しみが増えるからだ。改めて書くこともないから以前書いた雑文を載せておく。

 春の摘み草のこと

 春の摘み草は、私の楽しみの一つである。春先さまざまな草が芽生え始めるころ、散歩をかねて野に出る。
自転車を5分も走らせたところに、日米安全保障条約にもとづく提供施設、大和田通信基地がある。清瀬市と埼玉県新座市をまたぐ地域だが、通信施設そのものはかなり集約されて、金網の柵で囲われてはいるが広大な原っぱが広がっている。基地はありがたくないが原っぱは貴重で、格好の摘み草地域だ。セリ、ノビル、ノカンゾウ、ヨメナ、ミズギボウシなどが摘める。私はよく摘んできて一人で料理し、春を楽しんだ。
ここ数年前まではよくでかけていたが、最近は足も遠のいている。今年はぜひ摘みに出かけようと思うが、この提供施設、以前はほとんど手入れもされていなかったから摘み草には最適だった。ところが、アメリカの貿易センタービルへのテロ以後は、基地管理に当たる防衛施設庁が、業者を使って草を刈り整地したため、どれだけの野草が生き残っているか心配だ。ヨメナとノカンゾウは大丈夫のような気がするが、セリは絶滅してしまったのではないか、心配だ。
ところで一番早く芽を出すのはノカンゾウだ。原っぱの片隅、ちょうど「人」と言う字をさかさまにしたような形で、地上へ3・4センチとがったやわらかい葉を伸ばしたころ、土中の白い根をつけて採る。サッと手早くゆでて、私はもっぱら酢味噌和えで食べる。薄味の煮物などでも食べるらしいが私は酢味噌がいい。
ノカンゾウが食べごろをすぎたころ、こんどはヨメナだ。これは原っぱのあちこちにある。伸び始めのやわらかい芽を指先でちぎってきて、ゆでた後30分ほど水にさらす。野草の食べ方などの本では2・3時間さらすとあるが私は手軽に済ます。ヨメナ御飯、とじもの、煮びたしいろいろ食べ方はあるようだが、私は酒とみりんしょうゆそれに花かつおで佃煮風に煮るのが一番好きだ。特に香りがいい。
ノビルは球根の大きそうなのを選んで採るが、これはゆでて水にさらした後酢味噌であえて食べる。生のまま味噌をつけて食べる人もいるが、これはひどく辛いし、私はどうも苦手だ。
八百屋で野菜を買えばもっとおいしいものがいくらでもあるだろうが、私はこうした野草を摘んで食べるというのが好きだ。本格的な山菜摘みは「あてのない遠足」や、田舎へ帰った折の山歩きに任せて、散歩がてら、自転車を走らせる近くの原っぱでの摘み草を楽しみたい。今年はぜひ出かけたいと思う。
                                       (土筆通信NO1148号の一部)
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by tsukushi--juku | 2011-01-22 11:00 | Comments(0)