土筆塾主宰・土屋春雄のブログ

クマガイソウとキエビネ
            我が家のクマガイソウとエビネが咲いた
 エビネもクマガイソウも、いずれも生まれ育った下田の山奥から持ち帰ったもの。クマガイソウは、伊豆の大島の我が別荘の敷地に植えていたものだが、かなり増えたので春休みに別荘に行った時、数株、清瀬に持ち帰ったものだがどうやら根づいたようだ。エビネはもう、十数年も清瀬の我が家で根づき毎年花を咲かせている。エビネはキエビネとジエビネがあるがジエビネも微妙に色や形が違って三種類ある。
 クマガイソウは日本固有のランで、絶滅危惧種だそうだ。
 私は故郷下田の山の中(下大沢)で高校卒業まで過ごした。神戸で過ごした十二年間は故郷に帰ることもめったになかったが、ここ清瀬に住むようになってからは、毎年何回かは故郷に帰る。生まれ育った下大沢は、へき地に近いような山の中だから、帰るたびに山歩きする。子どもの頃の、山間のだんだん田んぼや畑だったところ、炭やきをしたところ、その周辺の山野を歩き回るのだ。近年は、イノシシの足跡や、掘りかえした竹林のタケノコの残骸を見ることも多くなったが、昼の間はイノシシに出会う心配もないので、とにかく歩きまわる。山菜の季節は山菜摘みもするが、山野草を見つけるのも楽しみだ。今まで随分いろいろな山野草を見つけた。ササユリ、ヤマユリ、キンラン、ギンラン、ササハギンラン、サイハイラン、エビネ、キエビネ、そしてクマガイソウ。だが今我が家に生き残っているのはエビネ類と、大島経由で今年、我が家に持ち帰ったクマガイソウ。それにヤマユリだ。ホタルブクロもあるが、これは清瀬の米軍基地柵を乗り越えて、原っぱの片隅から採集してきたもの。
 何せ庭のない我が家。鉢植えにして育てたが、あまり手入れもしていないから、生き残ったのはこれだけということになる。
 我が家は妻も花が好きで、いろいろな西洋産の花をもらってくる。私はなかなか名前が覚えられない。日本の山野草の名前はすぐ覚えられるのだが、西洋産の花の名前を覚えるのは苦手だ。最近妻が「オーニソガラム」などという鉢植えの花を貰ってきたが、名前が覚えられなくて、いまだに名前を書いた紙を見ている始末だ。
 故郷を離れて六十五年にもなるが、私の中には子どもの頃生まれ育った下田・下大沢の山野が息づいている。年齢を重ねるにつれて故郷への思いは強くなると言ってもいい。「故郷」というのはそういうものなのだろう。
 六十六歳になる塾生Sさんが東日本大震災で被災した故郷、陸前高田に家を再建して移り住むという。彼女の気持ちがよくわかる。故郷というのはそういうものなのだ。
 我が家の、クマガイソウとエビネが咲いた。
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by tsukushi--juku | 2017-04-20 21:46 | Comments(0)