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by tsukushi--juku
土筆塾主宰・土屋春雄のブログ

後悔したくないから
                   後悔したくないから

 81歳,後悔したくないから、必要な発信をしておきたい。4月27日アメリカと日本の外務・軍事担当相の会合で、新たな日米軍事協力の指針(ガイドライン)が決まった。28日には安倍首相、オバマ大統領の日米首脳会談が行われた。私は、今は政治分野で仕事はしていないから政治論文が書けるわけではない。だから感想程度ということになるが、一言書く。
 日米軍事協力の指針は、まとめて言えば自衛隊が、地球上のどこでも、そしていつでもあらゆる事態に、米軍を支援し戦争に参加できるようにするものだ。わが国の憲法は「最高法規」として「その条項に反する法律、命令、詔勅および国務野関するその他の行為の全部または一部は、その効力を有しない」(第98条)と定めている。その憲法は第9条で「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と定め、第2項でこの目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と規定している。この憲法をないがしろにし、憲法の上に日米同盟を置く許し難い決定だ。今、安倍政権はこれらを含む「戦争立法」を5月中にも採決しようとしている。『私が憲法だ』と言わんばかりのこの暴走、黙っているわけにはいかない。日本が「殺し殺される」国に変身していくなら、それは間違いなく子どもたちの上に覆いかぶさってくるだろう。
 「日米軍事協力の指針」の全文を読む人は、専門家や、その分野にかかわっている人を除く一般市民の中では少ないだろう。また読んでも「わからない」ことが多いのだ。だが、今、日米同盟、日米協力の実態は急速に進展している。日米合同軍事訓練、軍備の調達、指揮系統の調整を含めて、などなどだ。
 中央政治だけではない。地方政治にまでその影が覆いかぶさっている。例えば29日、練馬で、東京大空襲で被災した海老名香葉子さん原作、有原誠治監督(清瀬市在住、土筆塾卒業生の親)のアニメーション映画『うしろの正面だあれ』の後援を、練馬教育委員会が断ったことが報道されたが、その理由が、「ねりま9条の会」が協力しているからということだったようだ。漫画「はだしのゲン』閲覧を制限した動き、9条を歌った俳句を市報に掲載することを差し止めた動きなどなど、さまざまな地方自治体の動きも露骨になってきている。こうした動きが強まれば、やがて憲法9条を口にする人間が何か特別扱いされかねない雰囲気が作り出されていくだろう。
 安倍政権のマスコミへの懐柔、干渉。教育への干渉も目立ち始めている。政権のこうした暴走は、当然のこととして国民生活の全分野にわたって生活を圧迫して来る。原発問題、福祉問題、農業問題、格差拡大の問題、それこそ挙げればきりがない。安倍首相に異を唱える政権党内の声も影が薄く、それどころか、政治献金や政党助成金など、金にどっぷりつかった政治の腐敗、堕落も目に余る。かつての「侵略戦争美化」の発信基地になっている靖国神社には、100名を超える閣僚を含む国会議員がぞろぞろと参拝し、あるいは安倍首相のように「ま榊」を奉納する.19名の閣僚のうち15名が、日本最大の右翼団体『日本会議』につらなる議員懇談会のメンバーというこの異常さ。
 安倍自公政権の暴走は留まる事がない。にもかかわらず、国政でも、地方政治でも自民党は絶対多数を占める。選挙の投票率は、選挙のたびに最低を記録する。一体これからどうなっていくのだ。
 後悔したくないから、子供たちに顔向けできない生き方はしたくないから、今は小さな力かもしれないが、やがて大きな力になることを信じて、ささやかな発信を続けたい。
 
 
by tsukushi--juku | 2015-05-04 18:04